集中力の欠如
2008年 05月 29日
自分自身と周りの人々の状況及びスケジュールが、めまぐるしく変化しております。変化に対処するためにかなりのエネルギーを使うタイプの私には、かなり辛いものがあります。それなりに楽しくはあるのですが、1日が終わると...ヘトヘト。それに比例して、注意力も散漫になります。
で、事件は起こりました。時刻は午後6時半。
その日は、土砂降り。片道50分近くはかかるメインキャンパスまで、車を運転しなければなりませんでした。途中の高速道路は、大渋滞。何度もブレーキを踏みながらの運転です。事故を起こさないよう、無意識に身体に力が入っています。2度の車線変更にも力が入ります。スリル満点です。
この渋滞をようやくやり過ごし、ようやく学校に到着。軽い疲労感が心地よい状態です。
さっきガソリンスタンドで購入した、ダンキンドーナツのコーヒーを一口飲み、ホッとしたのも束の間...隣の駐車スペースにクラスメートが車を横付けしました。とっても元気で素敵な女性ですが、ラテンの国の人。にぎやかなのが好きらしい。「(窓が閉まっているのに)音楽が外まで聞こえてる...ひょえー」と心の中で思いながら、私はというと何も持たずに自分の車から降りました。で、手動式の運転席のドア、自分でロックしてしまいました。
で、でも、私、助手席側のドアを、内側から開けておいたつもりだったんです。昨秋、ドアの鍵を修理して以来、中からは開けにくくなっているので、必ずレバーをそっと引いて、ドアを少しだけ開けるのも普段なら忘れないのに...
なのに、この日は、コーヒーを一口飲んだ後、助手席側のドアロックを解除もせず、レバーも引かなかったのです(自分では一連の動作をやったつもりだったのですが...コーヒーを飲むことに気をとられ、ドアを開けることを忘れた模様)。
車を降りた直後、運転席側のドアを閉めた音がやたらと大きかったことだけを覚えています。その後は、頭の中が真っ白で、何が起こったのかしばらくは理解できませんでした。日本でも長い間車を運転していましたが、こんな経験は初めてです。
パニック~!!!!
でも、コロンビアからアメリカに来てまだ1年も経たないクラスメート、冷静でした。「私なんて、アメリカに来てすぐに車上荒らしに遭ったのよ!でも、911にコールしたら、解決したわ。学内の警察にそこのブースから電話しなさいよ。彼らが助けてくれるわ。」とのたまいます。(注:キャンパスの至るところに、警察に直でつながる電話が設置されています)。
半信半疑で電話すると、白人の警官が数分後、やって来ました。「ベストは尽くすけど、もしかしてあなたの車の鍵を壊してしまうかもしれないよ。いいのかな?」と質問されました。壊されるのはイヤですが、任せるしかありません。電話も、お財布も、免許証も、鍵も、ぜーんぶ、車の中なんですから。開けてもらわないことには、家にも帰れません(涙)。
私の車のロックシステムは手動だと伝えると、「じゃあ、超簡単!」と言うのです。で、安心していたのですが、実際は...30分以上の格闘。ドアというドアを全部試し、2つの工具で開錠を試みましたが、ビクともしません。何を使って開けようとしたかは、ここでは書きませんが、超原始的な方法でした。
で、彼はこう言いました。「こんなにてこずったことは、今までに一度もない。」
(でも、私の車、高級車でも何でもないのよっ!)
そして、もう一言。「もう無理。」
(ウソやろ~!でも、これ以上、私の愛車をいじめるのも可哀相...)
私「...となると、大学図書館から、友人にメールを送り、スペアキーを届けてもらうしかない。首尾よくメールを読んでくれるやろうか?」と、疲れきった頭で、必死に思いをめぐらす私。
その時、このラテンの友達はきっぱりと言い放ちました。「ちょっと、そこの警官さん!何とかしてもらわないと困るのよ!私たちは、すごく遠くからここまで来てるのよっ!外国人だから友人もいないし、携帯電話も持ってない(彼女は本当に持ってなかった)し、一体どうやって、誰に助けを呼ぶのよっ!ホラ、念を送るから、もう一度やってみて~!」
彼女の発言に押されて、この警官、もう一度トライしてくれました。でも、時間は過ぎるばかり。で、彼女、とうとうこう言いました。「じゃあ、私がAkiをハートフォードまで乗せて行くわ!クラスは欠席!さあ、行きましょっ。(もう、あなた、技術ないのねっ)」。パニックに陥っている私は、どうしたらいいものか判断能力を失い...彼女のクラスの時間を奪ってしまったことにも申し訳なさを感じ...呆然。
すると、警官、こう言いました。
「ちょっと、待って。これが最後やから...」と、運転席側のドアに再び挑みます。
で...
カチャリ。
何と、開きました...車の鍵穴も問題ありません。私、力が抜けて、ちょっと泣いてしまいました。
結果、大幅に遅れましたが、クラスにも参加できました。
ついでに、パトカーの後部座席にも乗りました。
私にとっては、ひどい事件でしたが、振り返ってみれば、それでも幸運だったと言わざるを得ません。
もしも、コーヒーを買った場所で施錠していたら...
もしも、友人が傍にいなかったら...
もしも、警官が開錠できなかったら...
もしも、開錠の仕方が下手で車がダメージを負ったら...
日も暮れかかっていたので、本当にもっと心細かったはずです。
今はただ、この友人と警官に感謝の気持ちでいっぱいです。そして、自分の集中力が欠如していることをしっかりと認識し、慌てず、一つ一つ確認して進んでいくことの大切さを身に沁みて感じました。
ちーこ「ボーゼン」

で、事件は起こりました。時刻は午後6時半。
その日は、土砂降り。片道50分近くはかかるメインキャンパスまで、車を運転しなければなりませんでした。途中の高速道路は、大渋滞。何度もブレーキを踏みながらの運転です。事故を起こさないよう、無意識に身体に力が入っています。2度の車線変更にも力が入ります。スリル満点です。
この渋滞をようやくやり過ごし、ようやく学校に到着。軽い疲労感が心地よい状態です。
さっきガソリンスタンドで購入した、ダンキンドーナツのコーヒーを一口飲み、ホッとしたのも束の間...隣の駐車スペースにクラスメートが車を横付けしました。とっても元気で素敵な女性ですが、ラテンの国の人。にぎやかなのが好きらしい。「(窓が閉まっているのに)音楽が外まで聞こえてる...ひょえー」と心の中で思いながら、私はというと何も持たずに自分の車から降りました。で、手動式の運転席のドア、自分でロックしてしまいました。
で、でも、私、助手席側のドアを、内側から開けておいたつもりだったんです。昨秋、ドアの鍵を修理して以来、中からは開けにくくなっているので、必ずレバーをそっと引いて、ドアを少しだけ開けるのも普段なら忘れないのに...
なのに、この日は、コーヒーを一口飲んだ後、助手席側のドアロックを解除もせず、レバーも引かなかったのです(自分では一連の動作をやったつもりだったのですが...コーヒーを飲むことに気をとられ、ドアを開けることを忘れた模様)。
車を降りた直後、運転席側のドアを閉めた音がやたらと大きかったことだけを覚えています。その後は、頭の中が真っ白で、何が起こったのかしばらくは理解できませんでした。日本でも長い間車を運転していましたが、こんな経験は初めてです。
パニック~!!!!
でも、コロンビアからアメリカに来てまだ1年も経たないクラスメート、冷静でした。「私なんて、アメリカに来てすぐに車上荒らしに遭ったのよ!でも、911にコールしたら、解決したわ。学内の警察にそこのブースから電話しなさいよ。彼らが助けてくれるわ。」とのたまいます。(注:キャンパスの至るところに、警察に直でつながる電話が設置されています)。
半信半疑で電話すると、白人の警官が数分後、やって来ました。「ベストは尽くすけど、もしかしてあなたの車の鍵を壊してしまうかもしれないよ。いいのかな?」と質問されました。壊されるのはイヤですが、任せるしかありません。電話も、お財布も、免許証も、鍵も、ぜーんぶ、車の中なんですから。開けてもらわないことには、家にも帰れません(涙)。
私の車のロックシステムは手動だと伝えると、「じゃあ、超簡単!」と言うのです。で、安心していたのですが、実際は...30分以上の格闘。ドアというドアを全部試し、2つの工具で開錠を試みましたが、ビクともしません。何を使って開けようとしたかは、ここでは書きませんが、超原始的な方法でした。
で、彼はこう言いました。「こんなにてこずったことは、今までに一度もない。」
(でも、私の車、高級車でも何でもないのよっ!)
そして、もう一言。「もう無理。」
(ウソやろ~!でも、これ以上、私の愛車をいじめるのも可哀相...)
私「...となると、大学図書館から、友人にメールを送り、スペアキーを届けてもらうしかない。首尾よくメールを読んでくれるやろうか?」と、疲れきった頭で、必死に思いをめぐらす私。
その時、このラテンの友達はきっぱりと言い放ちました。「ちょっと、そこの警官さん!何とかしてもらわないと困るのよ!私たちは、すごく遠くからここまで来てるのよっ!外国人だから友人もいないし、携帯電話も持ってない(彼女は本当に持ってなかった)し、一体どうやって、誰に助けを呼ぶのよっ!ホラ、念を送るから、もう一度やってみて~!」
彼女の発言に押されて、この警官、もう一度トライしてくれました。でも、時間は過ぎるばかり。で、彼女、とうとうこう言いました。「じゃあ、私がAkiをハートフォードまで乗せて行くわ!クラスは欠席!さあ、行きましょっ。(もう、あなた、技術ないのねっ)」。パニックに陥っている私は、どうしたらいいものか判断能力を失い...彼女のクラスの時間を奪ってしまったことにも申し訳なさを感じ...呆然。
すると、警官、こう言いました。
「ちょっと、待って。これが最後やから...」と、運転席側のドアに再び挑みます。
で...
カチャリ。
何と、開きました...車の鍵穴も問題ありません。私、力が抜けて、ちょっと泣いてしまいました。
結果、大幅に遅れましたが、クラスにも参加できました。
ついでに、パトカーの後部座席にも乗りました。
私にとっては、ひどい事件でしたが、振り返ってみれば、それでも幸運だったと言わざるを得ません。
もしも、コーヒーを買った場所で施錠していたら...
もしも、友人が傍にいなかったら...
もしも、警官が開錠できなかったら...
もしも、開錠の仕方が下手で車がダメージを負ったら...
日も暮れかかっていたので、本当にもっと心細かったはずです。
今はただ、この友人と警官に感謝の気持ちでいっぱいです。そして、自分の集中力が欠如していることをしっかりと認識し、慌てず、一つ一つ確認して進んでいくことの大切さを身に沁みて感じました。
ちーこ「ボーゼン」

by nekoyama88
| 2008-05-29 13:21
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